今日は、工事進行基準を使った節税方法を解説したいと思います。
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概要
基本的には、建設業の場合は長期大規模工事以外は売上の計上基準は工事完成基準を採用して、工事が完成するまで売上を繰り延べた場合の方が得ですよね。
でも、損失の見込まれる工事については、工事進行基準を採用すれば、未実現の損失についても損金算入することが出来ますので、その他の利益と相殺して節税を図ることが可能です。
その他にも、繰越欠損金が消えてしまう前に、工事進行基準を採用してで先に利益を出して相殺することも可能です。
工事進行基準の適用要件
- 着工事業年度中にその目的物の引渡しが行われない工事であること。
- 確定した決算において工事進行基準の方法により経理を行うこと。
- いったん工事進行基準を選択した工事については、毎期継続して適用すること。
銀行対策としての工事進行基準
また、銀行対策としても使えると思うんですよ。
工事完成基準の場合、売上が立たなくて決算が赤字になっちゃうとかあると思うんですよね。
今期は銀行に赤字で決算書を出せないとか言う場合ありますよね。
そういう場合は、進行基準を適用することによって、工事が完成する前に売上を計上することが可能です。
工事進行基準の計算方法
① 各事業年度の収益の額
工事請負代金の額 × 進行割合(注) - 前期までに計上した工事収益の額
② 各事業年度の費用の額
見積工事費用の額 × 進行割合(注) - 前期までに計上した工事費用の額
(注)進行割合= 当期末までに支出する総原価 / 当期末現在の見積総原価
対象事業
建設業、造船業、重機械製造、プラント事業、ソフトウエア開発業