寺田拓生税理士事務所

群馬県藤岡市の会計事務所

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課税売上がないのに消費税が還付できる例

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今日は、課税売上が0なのに消費税が還付できる事例を紹介します。

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事例

当社(資本金1,000万円)は、設立1期目の中古自動車の販売業者である。

販売のための自動車を10台仕入れたが、設立から1期目の期末までの期間が短かったため、収入は預金の利息のみで自動車の売上げはなかった。

その結果、課税売上割合は0となるので、消費税等の申告は納付額0でしょうか?

消費税の取扱い

まず、資本金が1,000万円以上であるため、設立初年度から課税事象者に該当します。

課税売上高が5億円超又は課税売上割合が95%未満の場合は、課税売上げに対応する課税仕入れの消費税額を抽出する計算を行わなければなりませんが、この場合に認められている計算方式は、個別対応方式と一括比例方式の二つあります。

本事例のように、設立1期目の期間が短いため、消費税の課税売上げがまったくなく、一方で預金利息など非課税売上げがあったような場合は、「課税売上割合」が0となります

このような場合には、「課税売上割合が0となるため、仕入税額控除はできない。」と誤解されているかたがいますが、個別対応方式を採用すれば、課税仕入れに係る消費税額等のうち、課税資産の譲渡等にのみ要するもの(課税売上げにのみ要するもの)は仕入税額控除がができます。

つまり、販売用の中古自動車の購入のために支払った消費税の還付を受けることが出来ます!

この事例は、税理士でも勘違されてるかたがいますので、お心当たりがある方はもう一度自社の申告書をチェックして見てはいかがでしょうか。