職業柄、ふるさと納税の自己負担2千円で済む上限額を計算して下さい。という相談をよく受ける。
その度に内心面倒くさいなあと思う。その年の所得を見積もるというのは結構困難な仕事である。寄付にみかえりを求めるのか、私の町の税収が減ってしまうではないかと思ったりする。上限額いっぱいまで寄付しようという人間のあさましさが見えたりもする。
ふるさと納税の制度を簡単に説明すると、例えばその人の自己負担2千円で済む上限額が10万円だったとすると、10万円寄付すると3万円相当の特産品が貰えたりする。つまり2千円の自己負担で3万円相当のものが貰えるのであるから2万8千円お得ということだ。3万円相当というのは原価ベースであり実際の売価はもっと高いだろう。
自己負担2千円で済む上限額の計算方法は下記のようになる。
上限額 =個人住民税所得割額×20%÷(90%-所得税率×1.021)+ 2千円
まず個人住民税所得割を計算するのが結構難しい。前の年の住民税決定通知書を見て貰うのが手っ取り早いだろうか。基本的に同じ仕事をしているのであれば昨年の所得とそれほど変わらないはずだ。
(90%-所得税率×1.021)の所であるが、自身の所得税の限界税率が
5% であれば 0.84895
10% であれば 0.7979
20% であれば 0.6958
23% であれば 0.66517
となる。
最後に2千円を足せば完成である。住民税の2割くらいというざっくり計算でも構わないだろう。
最近読んだ本に上限額を高くするには所得税自体を上げなければならないのでふるさと納税は、納税に対するインセンティブになると書かれてあり、なるほどと思ったものである。ふるさと納税自体はそれほど悪いものではないのだ。
なんだかんだ不満を言って来たが、一番は、私はそれほど所得が多い方ではないのでたくさんふるさと納税出来る人が羨ましいだけだ。