平成29年4月1日から消費税率が10%となることがほぼ確定的となりました。
短期前払費用は法人税法では継続適用を要件に支払った日の属する事業年度に損金の額に算入することができます。
では、消費税法では税率の変更時にどのような処理をしたらいいのか、平成26年4月に5%から8%に増税された時を参考にして復習してみたいと思います。
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設例
決算月が3月で、帳簿書類を保管するためにトランクルームを賃借している。
賃借期間:平28年12月1日~平成29年11月30日
賃料:
① 平成28年12月1日~平成29年3月31日(4か月)
毎月10万円で合計40万円(税抜)、消費税は3万2千円(税率8%)
② 平成29年4月1日~平成29年11月30日(8か月)
毎月10万円で合計80万円(税抜)、消費税は8万円(税率10%)
③ 合計 131万2千円
支払日:平成28年11月25日に契約、同日に1年分全額131万2千円を支払う。
【消費税の処理】
処理その1(仮払金の処理①)
施行日(平成29年4月1日)以後の新税率10%適用分の消費税を仮払金として処理として繰り延べ、その部分を翌課税期間において仕入税額控除する。
仕訳例を示すと次のようになります。
<平成29年3月期>
(賃借料) 1,200,000 (現金預金) 1,312,000
(仮払消費税) 32,000
(仮払金) 80,000
<平成30年3月期>
(仮払消費税) 80,000 (仮払金) 80,000
処理その2(仮払金の処理②)
消費税も短期前払費用の取扱いを継続し、旧税率8%部分は支払った日を含む課税期間で仕入税額控除し、アップされた税率2%部分を仮払金として翌期に繰り延べて翌期課税期間において仕入税額控除する。
仕訳例を示すと次のようになります。
<平成29年3月期>
(賃借料) 1,200,000 (現金預金) 1,312,000
(仮払消費税) 96,000
(仮払金) 16,000
<平成30年3月期>
(仮払消費税) 16,000 (仮払金) 16,000
処理その3(対価の返還等の処理)
一括して支払った賃借料の全額を、旧税率8%適用の税込金額とみなして支払った課税期間で仕入税額控除をし、8%で控除した10%税率適用分について翌課税期間で仕入の対価の返還等を受けたものとして清算をし、仕入税額控除の計算をする。
8%で処理しておいて、翌気に修正仕訳をいれるイメージです。
<平成29年3月期>
(賃借料) 1,214,815 (現金預金) 1,312,000
(仮払消費税) 97,185
(注)1,312,000×8/108=97,185
<平成30年3月期>
(賃借料) 800,000 (賃借料) 814,815
(仮払消費税) 80,000 (仮払消費税) 65,185
上記の処理は国税庁が平成26年1月付で公表した「消費税率引上げに伴う資産の譲渡に関するQ&A」の問9を参考にして作成しました。