寺田拓生税理士事務所

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税理士試験の簿記論と日商簿記1級 どっちが難しい?

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たまあに、議論になることがあるのですが、税理士試験の簿記論と日商簿記1級がどちらが難しいのか検証して見たいと思います。

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1.合格率

まず、税理士試験の簿記論の近年における合格率を見てみることにしましょう

簿記論合格率

令和2年度 22.6%
令和元年度 17.4%
平成30年度 14.8%
平成29年度 14.2%
平成28年度 12.6%
平成27年度 18.8%
平成26年度 13.2%
平成25年度 12.2%
平成24年度 18.8%
平成23年度 14.8%
平成22年度 12.5%
平成21年度  9.9%

合格率10%の税理士試験と言われていますが、簿記論の場合には、実際にはもう少し高いみたいです。

日商簿記1級合格率

令和2年11月 13.5%
令和2月6月 中止(新型コロナウィルスのため)
令和元年11月 9.8%
令和元年6月 8.5%
平成30年11月 9.0%
平成30年6月 13.4%
平成29年11月 5.9%
平成29年6月 8.8%
平成28年11月 9.3%
平成28年6月 10.9%
平成27年11月 9.6%
平成27年6月 8.8%
平成26年11月 8.8%
平成26年6月 9.7%
平成25年11月 10.4%
平成25年6月 9.7%
平成24年11月 12.9%
平成24年6月 12.2%

日商簿記1級も10%くらいに合格率を調整していると言われていますが、近年における合格率を見てみると、簿記論より日商簿記1級の方が合格率が低いようです。

しかし、忘れてはいけないのが、日商簿記1級は年に2回も試験があるということです。

それと、日商簿記1級は、税理士試験の受験資格になっていますので、簿記論を受験した人の中には、日商簿記1級の合格者が多数含まれています。つまり、簿記論の方が分母のレベルが高いです。

逆に、簿記論を合格してから、日商簿記1級を受験する人はほとんどいないと思われます。なぜなら、簿記論の合格者は、その後に財務諸表論や税法科目の勉強をしなくていけませんので、とてもそんな余裕がないからです。

2.社会的な評価は?

税理士事務所の場合には、特に評価は変わらないと思います。

日商簿記1級を税理士試験1科目分と同等としています。

しかし、一般企業の場合には、日商簿記1級の方が知名度が高いでしょう。

3.どちらが難しいのか

個人的な意見を言わせていただければ、簿記論の方が断然難しいと思っています。

私は日商簿記1級は1回で合格しましたが、その後に簿記論を2年連続で落ちて3回目でやっと合格しました。

それと、年1回の簿記論と年2回の日商簿記1級では、プレッシャーが全然違ってきます。

ボリュームとしましては、日商簿記1級が会計学や原価計算などもありますので広くて浅いという感じで、簿記論は、狭くて深いという感じです。昔は、簿記論では連結は、出題されてませんでした。

4.どちらを受ければいいのか

どちらを受ければいいのかというのは、簡単な話だと思いますが、税理士を目指す人は簿記論で、キャリアアップや転職などに繋げたい人は、日商簿記1級でいいと思います。世間的な評価が一緒であれば、簡単な日商簿記1級を選ぶべきです。税理士試験のワンミスのためにもう1年頑張るというのは、よほどメンタルが強くないか、ドMな人でないと耐えられないと思います。

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