先日、メモを取っても記憶の定着にはあまり意味がないという研究成果が発表されたというネットのニュースを見た。論文を読んで検証したわけではないので、その研究成果が正しいのかどうかわからないのであるが、仮に、メモを取ることに記憶の定着に意味がないとしても見落としている視点があるのではないであろうか。
メモを取ることに夢中で相手の真意を掴み損ねるということは確かにあるであろう。
私が最初に就職した時は、先輩にメモを取られるように注意された経験があり、先輩や上司の話にはメモを取るようなくせがついている。同じ質問を二度するな!などと言われ社会の厳しさを味わったものである。
これは、作業手順を書いておいて、忘れた時にもう一度見ようという意味もあるのであるが、それ以上に重要な役割がある。
それは、あなたの話をしっかり聞いてますよというアピールをするためにしているのである。
若い人は作業手順をスマホの動画で録画した方が早いのではないかと思われることも多いかもしれないが、この行為にも注意が必要である。
スマホでの撮影の許可が下りたとしても、上司によっては快く思ってない可能性がある。
上司の中には、オレが苦労して来た苦労は部下のお前らも味わうべきだと意識を持っている人もまだ多くいると思われる。職人的職種の場合には、技術は盗めみたいな風習はまだ残っている。
組織の中で生きていくというのは、優秀であることより上司や同僚に嫌われないということが重要になることがある。
出る杭は打たれるいう言葉とはよく言ったものである。
組織というものに染まって生きていくか、組織の中で尖って生きて行くかについてはあなたの選択である。
組織から抜け出してフリーランスと生き方もあるが、それもまた茨の道である。