扇風機に「あーーーーっ!」て言うアイドルがいたらそれは可愛いであろう。
もし、空気清浄機にしゃべりかけてもなお可愛いアイドルは存在するだろうか。
普通なら気持ち悪いであろう。
しかし、そのアイドルは実在する。
それは、乃木坂46の西野七瀬である。
映画『悲しみの忘れ方』で印象的なシーンで西野七瀬が空気清浄機に話かけるシーンがある。
「こいつ可愛いんですよ」
西野七瀬は乃木坂46で一番人気のあるメンバーである。
あれだけの人気者になってみんなから愛されても、彼女が抱えている孤独や虚無感はどこから来るものだろうか。
「ペット代わりではないけど、急にPM2.5の光が点灯して『なんで?』と心の中でツッコミを入れたりはしています(笑)。(『EX大衆』2016年9月号47頁)」
その悲しみを空気清浄機のボタンの点滅がほんのわずかだけ忘れさせてくれる。
以前、盟友である橋本奈々未に「西野七瀬とはどんな人であるか」とう質問に対して彼女は次のように答えている。
「秋口に半袖で交通整理をしている人がいたら、私だったら『寒そうだな~』くらいの感想しかないけど、七瀬は『一生懸命、棒振ってんねんで。可愛いなぁ』と言うような人(『BUBUKA』2016年6月号23頁)」
まったく理解できない。
「孤高」という言葉自体が西野七瀬のためにあるのでは無いかと錯覚してしまう。
デビュー曲『ぐるぐるカーテン』のキャンペーンでティッシュ配り時に人見知りのため泣いてしまったなーちゃん。
『乃木どこ』で、自分が用意して来た「太ったハトが好き」というエピソードがつまらないのではないかと心配して泣いてしまうなーちゃん。
15枚目シングルの選抜発表で西野七瀬は泣いていた。
センターに成れなかったことが悔しかったのだろうか。
私の理解が及ぶものでは無い。
部屋に帰宅するなーちゃん。
ドアを開けることで外の空気が入るため空気清浄機が点滅する。
その点滅があたかも「お帰り」と言ってくれているように彼女は感じるのである。